保険金詐欺の片棒を担ぐことに!?

マイナー外科医です。仕事で患者から医療保険・がん保険などの保険金請求に対して、診断書に記載しています。医師事務さんがいない病院では結構重荷な仕事です。大変なんですよね、これ。大学病院に至っては上司の分まで記載する必要があるという・・。

今回そんな保険金請求で、あわや保険金詐欺に巻き込まれるところでした。

保険会社から長文の疑義照会

いつものように依頼のあった各保険会社からの診断書に記載をこなしていたところ。1ヶ月程前に診断書を記載した患者のことについて疑義照会が届きました。

話を聞くと、患者を当科に紹介してくれた他科の先生宛にも同様の書類が届いていたとのこと。送り主もアフラックや〇〇損保とは違う聞いたこともない会社でしたが、実在する会社でいわゆる「怪しい会社」ではなかった。

見たこともない疑義照会用紙の枚数。全部で6枚。

内容をざっくりいうと、

  • 初診日はいつか
  • 初心に至るまでの経過
  • 初診時の説明内容、だれに、どんな話をしたか
  • 初診時時点での推定病名
  • その後の経過
  • 手術を決定した日
  • 病名が確定した日、告知した日

こんな感じでした。ほんとに初めて見た書類でした。

6枚・・。電子カルテ非対応の書類なので全て手書きか・・・。マジかよ・・。

ただ、患者に保険金が下りるためには主治医の診断書が必須です。以前書いた診断書の記載が甘かったんだろうな、と反省しながらカルテを見返しつつ疑義照会に対し回答を行っていったところ、当時の記憶が蘇ってきました。ああ、なるほどな。

手術を拒否する患者

診断書に記載した2年程前のことです。

悪性腫瘍(癌)が強く疑われ、当マイナー外科へ紹介となった70代の患者。

ギリギリ早期癌の可能性が高く、今なら手術で根治期待できるためまずは精査を、と説明するも頑なに拒否。患者本人のみならず、家族達も一貫して拒否。「自分の命だからどうなってもええんや!!」としまいには怒りだして診察室から退出されました。

仕方がないので、疑い病名を告知し手術勧めるも拒否された旨をカルテに記載し、心変わりあれば受診していただくことに。

しかし、その1ヶ月後に再度飛び込み受診され今度は精査・治療希望されました。前とうってかわって満面の笑み。

その当時はなにも疑問に思わず、納得されたんだなとのことで予定を組んで早急に手術加療。予想通り癌の診断でした。幸い無事に根治でき、その後再発・転移ないか慎重フォローしているところです。

もうお分かりですよね?

初診・病名告知から再診までにガン保険に加入

どうやらこのような事態だった様子です。癌の疑いが高いと説明をうけ、それから保険会社に問い合わせガン保険に加入。しかし、ガン保険の加入条件として、会社によって差異はありますが大体少なくとも5年以上癌の診断がされていないことが条件です。

5年というのは、癌に限らず保険会社に対して告知義務が消える年数です。

今回、手術から2年経過してから保険請求しています。これもおそらく裏があると思われます。加入後2年以内の保険請求は【早期事故扱い】で保険会社からの調査が入るからです。2年経過しても怪しい場合は調査されますが。

ただ今回2年経過して保険請求していますが、実際の保険請求対象は加入から1ヶ月なのでどちらにせよ調査されたでしょうが。告知義務違反をすれば、悪質度によって保険契約の解除などのペナルティが課せられます。

黙って加入すれば告知義務違反になりますし、下手をすれば詐欺罪にあたります。というか今回のケースは限りなくブラックですね。それだけ保険会社も慎重に証拠を集めているのだと思います。

普段は法に抵触しない範囲で患者よりの記載することもあるんですがね。退院後の就業不可をちょっと長めにしたり・・。

今回はさすがにカルテ記載の通り事実をしっかりと記載しました。

まとめ

保険に加入する時は、正しく入りましょう。というより民間の医療保険・ガン保険は基本的に不要です。

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